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「ケンカで育む能力」

子供同士のケンカ、特に兄妹がいる家庭では日常茶飯事のことでしょう。ケンカの原因の多くは、自分と相手との利害が一致しないことにあります。つまり、自分の欲求が満たされず、不愉快な思いをさせられるので、怒りの感情を爆発させることになる、また低年齢の子供では、それらを言葉でうまく伝えらないために、手が出てしまうこともあるわけです。
こうした場合は「暴力はよくない」ということを、きちんと教える必要がありますが、何がなんでも「ケンカは良くない」と決め付けて止めてしまう前に、子供達がケンカを通して学ぶことがあるという点にも留意しなくてはなりません。
今回は、ケンカで育む能力について、日本と欧米双方の優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴さんによる3つのアドバイスを挙げておきたいと思います。

(1)「言葉で伝えること」が身に付く

おもちゃを巡ってのケンカ。
「これは、僕が使うんだ!」
「僕だよ!」
黙っていたら相手に取られて自分は使えなくなるので、二人とも必死で自分が使うと主張します。
「僕が先に取ったんだ!」
「違うよ!僕が使おうとしていたんだ!」
仲良く遊べるのが一番ですが、子どもたちはここで「自分の言いたいことを言葉で伝えること」を学習しているのです。

(2)「論理的思考や説得力、問題解決能力」が身につく
ただ「自分が先!」と言い張るだけでは、相手にも「僕が先だ!」と言い返えされるだけです。
そこで、どんな風に言えば相手の主張をくつがえして、自分が先だという主張を通せるかを、子どもたちは必死に考えるのです。
なぜ今、そのおもちゃを使いたいのか。相手を納得させられるように、状況を説明する必要が出てきます。
「今ブロックで病院を作っているから、救急車がなくちゃだめなんだ!」
「僕だって救急車がいい!」
そこで、病院を作っている子は代替案を出します。
「じゃあ、このトラックは?トラックなら荷物も運べるよ!」
「そうだね、じゃ、僕はトラックでいいよ」
相手を説得するために、論理的に考えて問題を解決できたわけです。

(3)「精神力」が身につく
小さな子どもは、自分自身で怒りの感情をうまくコントロールできません。しかし、何度もケンカを経験することで、自分の感情をコントロールする術や、我慢の仕方などが身に付いていきます。
ケンカ相手から浴びせられた「嫌い!」「もう遊んであげない!」といった心無い言葉は強い精神力を養うのに役立ちます。

論理的思考も説得力も、問題解決能力や我慢強さも、全て大人になってからも必要な能力ばかり。ケンカを通じて子供が知恵をつけて成長していく過程を、見守ってあげることはとても大切なことなのです。

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