アメリカの子育ては、日本のそれに比べると「褒めることが基本になっている」などと言われたりしますが、それでも、当然ですが「叱ること」が必要な場合だってたくさんあります。オペアの皆さんもすでにそんな経験をされていることとお察しします。
子供がやってはいけないことをした時、危険な場面に遭遇しそうになった時など、叱ることが大切な時もあるわけです。
でも、では、一体どんな「叱り方」が適切なのでしょう?今回は、これに関して、シュタイナー教育の考えをまとめた記事を見つけましたので、簡単にご紹介しましょう。
まず、4歳以下の子供の場合には、「相手の立場に立って考えることができない」年齢であることを頭にいれておいてください。つまり、悪いことをした時でも、その実感がないわけです。ですから、理屈を説明して相手を納得させるというのは到底無理ということです。
最善は、「叱る必要がある場面をできるだけ避けられるようにする」ことです。子供に触られて困るものは手の届く場所に置かない、など、環境を子供中心に考えておくことです。それでも、万が一、叱る必要が出てきた場合には、後ろから抱きかかえるような感じで、「ごめんなさい」がいえるように諭してあげること。この年齢の子供には、真正面から大声で叱る、のは相手を萎縮させてしまうために逆効果です。相手が、話を聞き入れられるように優しく接してあげるのがキーです。
一方、4歳以上の子供の場合には、話を聞く姿勢や記憶力も備わっていますから、「きっぱり叱る」、これが大切になってきます。
「子供と同じ視線で」と、強調する子育て方もありますが、シュタイナーでは「上からの目線」で、威厳を持って叱ること、とされています。
ですが、この時に「触っちゃだめって言ったでしょ!」ではなくて、「これを触りたかったのはわかるけれど…」と、まずは相手の気持ちを一度認識してから、なぜ触ってはいけないのか、を説明します。
この「コミュニケーション」のステップは非常に重要です。
なぜなら、子供には「どうして叱られているのか」をしっかり理解する必要があるからです。ですから、余計な会話や例を持ち出したりせず、「だめな理由」だけをしっかり諭し、叱ります。これをしないと、子供は意味も分からず「取り合えず謝る」という選択をするようになってしまうからです。
そして叱った後は、「必ず」フォローしてあげてください。子供に「あなたが嫌いだから叱ったのではない」ときちんと伝えてあげてください。
オペアさんの場合にはホストファミリーとも、お子様の状況についてファミリーに報告を怠らないようにしましょう。