子供には好き嫌いなくなんでも食べて欲しい、と願うのは当然のことです。
が、ここでその方法を間違ってしまうと、なんと、さらに 好き嫌いが激しくなってしまうことがあるのだとか。
ではまず、なぜ、嫌いなものができてしまうのか?
これは「食べなさい!」と無理に強制された結果がその原因に当たるという説があります。
これはどういうことかと言いますと、 記憶というのは脳の“海馬(かいば)”というタツノオトシゴのような形をしたところに秘密があるのだそうですが、知識や体験したことはこの海馬でふるいにかけられ“短期”記憶で良い情報か、長期記憶すべきなのか判断されます。一生忘れない“長期記憶”に分類させるには、海馬の横にある“扁桃体”をブルブル震わせればいいとされています。
扁桃体は感情を司る部位。つまり人間は“強い感情を伴った記憶”は忘れることが出来ないのです。
例を挙げるとすると、例えば、虐待を受けた人が一生その光景を忘れなかったり、痴呆老人が昔の楽しかった思い出を覚えているのは、その記憶に強烈な感情が伴っていたからです。扁桃体が震えたので記憶が長期保存されたのです。
つまり、嫌々食べさせられた経験は“嫌な記憶”として生涯残り、嫌いな物になってしまうということなのだそうです。
ですから、「嫌いなもの」を食べさせたい時には、「これ、すっごく美味しいよ~!」と子どもが嫌いなものを美味しそうに食べて見せたり、あるいは
「これ、おいしいから一口食べてみない?」とすすめてみて、一口でも食べることができたら「ほら、おいしいでしょ?」「一口食べられたね、偉いね」と褒めてあげること。こうして「良い体験」を重ねていくことで、好き嫌いを減らすことができるのだそうです。
栄養のバランスを考えるのはもちろん必要なことですが、まずは、食事は楽しいこと、食卓は楽しい場所、と、教えてあげることが大切なんですね。