日本青少年研究所が行なった調査結果が興味深いものでしたので、今回はそれをご紹介しましょう。
日本・アメリカ・中国・韓国の4ヵ国の中高生を対象に、「自分はダメな人間だと思うか?」という質問に対して、「よくあ てはまる」と答えた日本高校生は、1980年には12.9%だったのに対して、2002年30.4%、2011年36.0%と、ほぼ3倍水準にまで大きく増加し ている結果がでたのだそうです。
「自分を価値ある人間 だと思うか」という、“自尊感”を問う項目については、米中韓の半分以下の水準という結果。
一体どうしてこんな結果に?
日本人には「謙虚であること」を大切にする文化があります「能ある鷹は爪隠す」「出る杭は打たれる」など、「謙遜が美徳」とされてきました。
ですから、「すごいですね」と褒められても「いえいえ、そんなことはありません」と謙遜するが普通で、子どもたちは小さい時からこうした会話を聞いて育つわけですから、「自分に価値があると思うか?」と問われると、「いえいえまだまだ」と答えるとしても不思議はないといえるでしょう。
みんなと同じであること、ひとり目立つことは避けるのが無難、といった日本文化の環境の中で「自分は価値ある人間だ」と言うと「あいつは傲慢な奴だ」と思われてしまいがちです。
では、自己肯定感を育てるためにはどうすればいいのでしょう?
まず「褒めてあげる」ということがとても大切です。
「あなたには価値があるのだ」と言うことを言葉で伝えます。ですが、この時に、ただなににでも「すごい!」と褒めるのではなく、子供が努力したことやちょっとした言動に対して、「具体的に」褒めることが大切です。
「それはすごくいい考えね。いいこと思いついてえらいね」
「お手伝いしてくれてありがとう。大助かりだったよ」
「一人で最期まで絵本を読めたの? 頑張ったね!」
などなど。
子供が自分の行いに対して「ああ、これがよかったんだ」と納得できるように褒めてあげること。
自分の言動を褒められると、その言動に自信が持てるようになり、もっと頑張ろうとう意欲につながっていきます。
この向上心こそが、自尊心や自己肯定感を高めていくのです。
アメリカでは「褒める」教育は一般的ですが、オペアさんも子供と接する際には、特に心がけてみてはどうでしょうか。