レプラコーン(Leprechaun)って一体誰?バレンタインが終わり、町からピンク色の飾りが消えたかと思っていたら、今度は緑色のものがたくさん飾られているのに気づかれたでしょうか。実は、3/17日がセントパトリックスデー(St Patrick’s Day)と呼ばれるアイリッシュの祝日にあたるからです。これはアイルランドにキリスト教を広めたとされる聖パトリックの命日とされているため、カトリック教徒のお祭りであり、アイルランド共和国では祝日になっていて盛大なパレードやフェスティバルが行われています。
アメリカでもアイルランド系移民の多い地域・都市では盛大に祝われパレードなどが行われていますが(現在ニューヨークのマンハッタンは世界で一番大きな聖パトリックの日のパレードが行われる場所である)、基本的には世俗化し、カトリック信徒でない人々も「緑色」のものを着てお祝いするようになっています。
そして、そのセントパトリックスデーの時期にこんなキャラクターを見かけて、これは一体何?と思われていたオペアの方もいらっしゃるかも知れません。この緑色に着飾ったキャラクターは「レプラコーン」(英語ではレプラカーン)と呼ばれるアイリッシュの伝承に登場する妖精なんです。
彼は、靴職人とされていて、童話『小人の靴屋』に登場する妖精とはこのレプラコーンのことだと言われているのだそうです。 地中の宝物のことを知っていて、うまく捕まえることができると黄金のありかを教えてくれるのだそうですが、大抵の場合、黄金を手に入れることはできないのだとか。そしてこの妖精は金の入った壺を持ち歩き、一瞬でも目をそらすとすぐに悪戯を仕掛け笑いながら姿を消すといわれていて、アイルランド南西部には「レプラコーンに注意」 (Leprechaun crossing) の交通標識があることで有名なんだそうです。では、このレプラコーンがなぜ、セントパトリックの祝日の日のキャラクターの様に扱われているのか?実際には、この両者の間には直接的な関連はないということですが、まずはどちらもがアイリッシュの歴史から来ているものであること、それからレプラコーンが黄金という幸運を持ち合わせていることと、セントパトリックの生い立ちが幸運に恵まれていた(幼少の頃に奴隷となったが、後に逃げることに成功した)というようなことから、お祝いのシンボルとして扱われるようになっているということのようです。