今回は、オペアの皆さんがきっと耳にするであろう子供のしつけ法がテーマです。日本ではあまり聞きなれない言葉かと思いますが、「タイムアウト(Time Out)」と言うのが、アメリカの家庭でよく使われるしつけの1つです。簡単に言ってしまうと、「子供をその場から離し、落ち着かせる手法」で、これは「罰」を与えるというのとは全く違うものです。
具体的にどういう場合に使うかと言うと、例えば兄弟(姉妹)喧嘩や友達間での喧嘩、親の言いつけを聞かなかった時、ルールを守らなかった時などで、それ以前に何度も注意を促しているのに、子供が言うことを聞かなかった時に、「じゃぁ、タイムアウトにしましょうね」という風に進めます。
家の中では、基本的に「タイムアウトの場所」が決まっています。この場所は、特に孤立した場所でなくてもよく、安全面を考えて、親の目が届く、危険な環境でないところにします。例えて言うなら、リビングルームの片隅とか、廊下の隅といったような場所が選ばれます。そこへ、「年齢を目安にした時間」、つまり、2歳なら2分、3歳なら3分、5歳なら5分位を目安とした時間、(通常は壁の方へ顔を向けて)立たせるのが「タイムアウト」です。
タイムアウトを使う時は、大人は落ち着いた態度で子供にタイムアウトをすることと、その理由を伝えます。そして子供をタイムアウトの場所へ連れていきます。子供が泣いたり、反抗したりするかも知れませんが、それでも大人は落ち着いてタイムアウトの場所へ連れて行くことが大切です。もしも、その場所から離れて動いてきてしまっても、再度、またその場所へ戻してください。そして、時間が経つのを待ちます。その間、子供と会話はしません。
屋外にいる場合でも、タイムアウトは有効です。お友達の輪から少し離れたところに連れてゆき、そこで「タイムアウト」を行います。
タイムアウトが終わった後は、また遊びに戻ってかまいません。が、そこで再び同じことが起きた場合には、再度「タイムアウト」を告げ、これを繰り返します。
つまり、タイムアウトの目的には、静かに立っている間に、子供が自分自身で「何が間違っていたか」を考えることにある訳です。
大人にしてみると根気が要りますが、同時に、感情的にかっとなってしまうことを防げるというメリットもあるためか、アメリカではとても一般的なしつけ法です。
オペアとしてホームステイ先の子供のお世話をする際に、タイムアウトについてのお話しがあるかもしれません。保護者ではないオペアがタイムアウトを使う場合には、事前に必ず保護者からの指示をうけてからにしましょう。
その家庭がどのようにタイムアウトを使っているのか。どのような場面なら使うべきなのか、逆にどのような場面なら使う必要はないのか、など、必ずきっちりと話し合いをもつようにしてください。