オペアの皆さんが日本を離れてアメリカで生活を始める時には、恐らく誰もが「カルチャーショック」と呼ばれる体験をするのではないかと思います。そこで今回はこのカルチャーショックについて少し医学的な見地から触れてみたいと思います。
カルチャーショックというのは、生まれ育った環境とかけ離れた新しい環境・文化に適応しようとする際に起こる心理的なショックのことです。言葉や食べ物を始め、今までの日常生活の中での物事の対処の仕方が通用しない、言葉が通じない等いろいろなことが要因になり、神経質になったり、イライラしたり、不眠になったり、ひどいホームシックにかかったりと、心身共に様々な症状が現れてきます。
ですが、このカルチャーショックは、誰にでも起こりうることであり、異文化に接した際に経験するひとつの学習プロセスでもあります。カルチャーショックが起こりえることを前もって自覚し、そうなった際の対 処方法を心得ておくことで、より早くアメリカでの生活に適応し、普通の感覚を 取り戻すことができるはずですので、ぜひ以下を頭の片隅においておいてください。
A. 自分の目的を見直す。
一番のカルチャーショックは、自分が期待していたアメリカ生活と現実とのギャップから生じます。そんな時には「自分は何を期待していたのか?」と問いただし、期待と現実との相違を明らかにしてみることです。アメリカに来た目的を思い起こして、耐えられない ほどの現状なのかを見つめ直してみましょう。
B. 日本的価値観で物事を判断しないようにする。
アメリカ人は日本人とは違うということを常に念頭におくことです。価値観、生活習慣、文化が全く異なっているのだということを心と体で理解してください。しかもアメリカは移民の国ですか ら、「アメリカ人」と一口に言っても、そのルーツは複雑性を有しています。自分の日本的価値観で善悪の判断をつけずに、アメリカ式のやり方で物事や事態を肯定的にとらえるように意識するといいでしょう。
C.引きこもらないこと。
一人の時間は気持ちを安らげてくれることもあるでしょうが、これが「引きこもり」になってしまわないように。ホストファミリーと一緒に、家族のイベントに積極的に参加したり、地域で行なわれるイベントなどにも気軽に参加してみましょう。人脈が広がることで自分の世界も広がりますし、アメリカに対する理解も深 めてくれるはずです。
D. 健康的な日常生活を保つ。
きちんと食事を取り、しっかり睡眠を取ること。ストレスによって、常に心身が緊張していることもありますので、できる限りリラックスできるように心がけてください。
そして、それでも自分自身で解消できなさそうだと判断した時には、すぐに人に打ち明けて、助けを求めることが大切です。アメリカには日常的に話を聞いてもらえる専門家はたくさんいますし、あるいは、ホストファミリーだって友人だって、何かアドバイスをくれるかもしれません。誰かに話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になることもあります。またローカルコーディネーターやオペア仲間にも相談しましょう。
オペアジャパニーズコネクションの代表今入はアメリカ在住です。さみしい気持ちになったら、遠慮せずご連絡くださいね。