今回は、オペアの方に読んでいただけるといいのではと思える著書のご紹介です。
ハーバード大学出身のPh. D Christine Gross-Lohさんによる、異文化間の育児の違いに関する本でタイトルは“Parenting Without Borders: Surprising Lessons Parents Around the World Can Teach Us.”というものです。
彼女はご主人と共に4人のお子さんを日本で育てた経験を持つ方で、他にも100カ国を通して調査した結果に基づく、国によって異なる子育てについてのいろいろな見解が述べられています。
その中の一説で興味深いのは、「親と子が一緒に眠る」ことに関する調査結果で、これによれば、子供と親が別々の部屋で寝るのはなんとアメリカだけだったとか。
アメリカでは子供の自立心を養うために、赤ちゃんの時から子供部屋に寝かせることが一般的になっていますが、Gross-Lohさんによれば、子供を産まれてすぐから突き放すよりも、年齢相応に親に依存をさせてあげた方が、後々自立心が備わりやすいということで、親子が一緒に寝ることは、実際には子供の自立心を養う上でも効果があると述べています。
また、アメリカの親は、日本の親に比べると過保護であるとも指摘しています。例えば、アメリカでは子供たちを公園で遊ばせる際には、大抵の親が子供のすぐ側にくっついていて、子供が他の子供と喧嘩したり、あるいは、危険性のあるものを拾ったりしないよう始終監視しているのが普通です。
一方、日本ではこれは見られないといいます。彼女によれば、日本の親は子供たちに自由に砂場で遊ばせたりしますし、子供たち同士の諍いも、人格形成に役立つと信じている、ということです。
そして、アメリカでは子供たちに木のスティック一本拾わせない一方で、ドイツでは5歳の子供がナイフを持って木を削ったりしていて驚いたそうですが、「自立と独立の別の形態は安全性である」ということで、子供たちに多少のリスクを負わせることは、「最善の保護」にもなりうると解説しています。
日米にまたがって子育てに関わるオペアの方には、きっといろいろと勉強になることが多いと思いますので、ぜひチェックしてみてください。英語の本ですが、この読書を通して英語も勉強できますし、一石二鳥かもしれません。